2013年10月23日水曜日

beatmaniaIIDX 上達法論③(六段の方~十段の方向け)

 もはや上達法でも何でもないのではないか。他所であまり語られてないことを重点的に書こうとしているので、嫌でも重箱の隅を突っつくような内容になってしまいます。
 今日書くものは、ある程度の部分が「理屈で考えるとこうなる」という内容になっています。それらは経験則に沿ったものではありません。あらかじめ御容赦ください。
 
 
 ・小指と薬指、結局どっちが強いのよ
 ・(番外編)弐寺が心身に及ぼす影響を考える
 
 【小指と薬指、結局どっちが強いのよ】
  これは、指の構造から考ると、小指でしょう。ただし、弐寺SPにおける実用性、という点でなく単に指の性能という点においてです。
 小指には小指だけを独立させて動かす為の筋肉が備わっており、薬指にはそういった筋肉は備わっておりません。また薬指よりも小指の方が元々の筋肉量では劣っていますが、鍛えさえすればその差はなくなります(鍛えさえすれば!)。また、薬指というのは全ての指の中でも最も独立性の低い指で、ピアニストなどは大昔から「薬指をどう動かすか」について悩んできたようです。ショパンなどは、たどたどしい薬指の動きをあえて表現に活かそうとしていたフシもあるらしい。
 詳しくは「IIDX片手erの読み物」というサイトや色々なピアノ上達法サイトなどに書かれていますので、そちらも参照してみてください。

 薬指派と小指派の数を比べてみると、これは間違いなく薬指派の人の方が多いでしょう。
 なぜそうなったのかというと2つの理由が考えられます。
 ①手のサイズ的に小指で押しづらい
 小指と薬指どちらの方がポテンシャルが高いかという結論は出ていますが、だからといって弐寺で使えるかどうかというのはまた別の話です。
 手が大きいと、というより一般的な男性サイズの手でも小指より薬指の方が7鍵(2Pなら1鍵)に近くなるので、小指だと無理が生じるのです。僕が今まで見てきた中でも、女性は小指押しの方が多いように思えます。
 そもそも弐寺の鍵盤配置は人体の構造に適しているとは言い難いのです。薬指だと畳まないと押せないし動かない、でも小指はなんだか遠いし力も入れにくい。このパラドックスはわりと多くの方が抱えているのではないか。
 
 ②ランカーに薬指派が多い
 これもかなり大きいと思われます。銀氏、1048氏、大魔王、TOTORO氏等、古参の有名ランカーは大抵の人が薬指です。海老氏やTANMEN氏などは小指ですが。
 彼らの動画を観て薬指に自信を持った人は多いのではないか。

 長々と書いてきましたが、結局のところ薬指で上手い人もいれば小指で上手い人もいるのであまり深く考える必要はないのではないかと思います。
 それに、独立性というのも鍛えられるものですし、独立性で全てが決まるわけではない。BPM200の16分の14-23トリルを左手で綺麗に光らせたいというなら話は別ですが、そんな譜面は捨ててしまっても問題はない。
この先、既存の譜面が相手にならないほどの高密度の譜面が頻発し、かつ☆12ですらMAX-10以内に収めないと話にならないほどランカーのレベルが高くなり、かつそのランカーを目指す、となった時に初めて小指を使用すればいいのではないか、という結論です。
 ちなみに僕は小指を使うことを諦めた薬指派です。そして、僕の左手の薬指は生まれつき、少しでも力むと第二関節が一切曲がりません。そんなんでも皆伝(2P)は取れました。
 
 【弐寺が心身に及ぼす影響を考える】
 
 これは、直接的には上達に関係のないことです。しかし、ある意味ビートマニアが上手くなることよりも大事なことです。

 弐寺に限らないかもしれませんが、音ゲーマーというのは他のゲーマーや一般人とは少し毛色が違うように思う。何が違うかというと、コミュニケーションが苦手な人がとても多いという点です。
 どもったり、全く喋れなかったり、話が整然としていなかったり、落ち着きがなかったり、急に感情的になったり、他人への当たりが強かったり、色々です。そういった人が元々コミュ障であったことを差っ引いても、不可解に思える点が多いのです。
 もちろん例外も数多くいます。代表的なのが1048氏。放送などを聴いた印象でしかないのですが、とても話が筋立っていて、人の話をまとめるのも上手い。この完璧超人が、などと思ってしまうのですが、それはそれとして。僕自身、いわゆる例外と言える知り合いも複数います。
 しかし、また逆も多い。こいつ真性のアスペちゃうか、と疑いたくなる人が普通にいる。僕がおかしいぞ、と思うのはその割合が大きいことです。
 そしてそういった人に共通しているのは、大抵「ガチ勢」だということです。名前は挙げませんが、ランカーの方々にも「ん?」となるような人が多い。
 そして、僕自身一時的に情緒不安定になったことがあります。その時の僕は皆伝目指して毎日20クレ30クレ平気でやるかなりのガチ勢でした。フリプで2時間4時間穴冥ノック当たり前、血反吐上等でバチバチバチバチ叩いておりました。
 その当時は常に思考がまとまらず、落ち着きがなく、心がザワついている状態でした。読書をしても頭に入ってこない。貧乏ゆすりがとまらない。夜は眠れない。逆に異常にローテンションになる時もありました。
 
 ここで言いたいのが、このゲームは体に、とりわけ自律神経に悪影響を及ぼす可能性があるのではないか、ということです。
 
 本来、非利き手というのは利き手のサポートの役割を負っています。あくまで動かすのは利き手がメインで、非利き手が矢面に立てるようには作られていない。
 それでも無理に利き手と同等、もしくはそれ以上に使おうとすると身体のバランスに乱れが生じます。
 このため、左手から右手へと利き手を矯正された人などには、言語障害、吃音(どもり)などの症状が出る場合が多い。ですので、今は利き手の矯正は基本的に良くないものだと考えられています。
 弐寺というのは右と左が同程度に動かなければいけないゲームです。バスの位置も乱でコロコロ変わるし、右手と左手の違いなんて皿回すか回さないかの違いだけで、主従関係はありません。非利き手を鍛えることが上達への必須条件だ、くらいに考える人も多い。中には左手を鍛える為に片手プレイをしたりする人もいる。お箸を無理矢理左手で持つ人なんてのもいるらしいです。
 しかし、これらは基本的な体のあり方と逆行しています。決して体にいいとは言えない。
 
 また、最近の音ゲーはBPMが速い曲が多いですね。難しい曲ほど速い。こういった曲をプレイする際は、余裕がない限り交感神経高ぶりっぱなしになるわけです。延々そんなことを続けていれば体が悪くなるのも当然だと言えます。普通に運動した場合なら、後でゆっくり休めば済む話なのですが、モニターを延々見続けるゲームということもあり、また先ほど書いた左手云々の話もあり、ビートマニアして寝るを繰り返すような生活だと簡単に体が休まってくれないわけです。
 
 また、弐寺erというのは大体姿勢の悪い人が多い。これは鍵盤配置が人体の構造に沿っていないという話とも繋がっていますが、画面の高さ、ガン下げ等も相まって無理な体勢をとらざるをえず、姿勢が悪くなっていく人が多いわけです。体が歪むと筋肉が緊張しっぱなしになり、自律神経の乱れへと向かいます。

 ちなみにですが、ピアノなども同じように指を動かすものですね。時には速く。
 しかし、楽器というのは基本的に右手優先です。ピアノでは右手が旋律、左手が伴奏となっていることが多く、左手メインというのはまれです。ドラムやギターも右で刻みますね。
 また、幼い頃から始めた人が多いので成長の過程で体が慣れてしまう場合が多いようです。スケーターの三半規管が鍛えられているのと同じです。
 そして楽器の場合は、出来ない内はゆっくりとした曲を中心に弾き、途中で止まることもできます。そういった練習を繰り返し、ある程度の余裕を持ってから少しずつ速い曲、複雑な曲に慣れていくわけです。基本的に演奏というのはフルコンが前提なので、慎重に練習するわけです。練習ではゆっくりとしか弾かない演奏家もいるようです。
 対して弐寺の場合は初心者の内から平気で速い曲をやらされるし、難しい曲をやれば上手くなるという風潮があるが為に、BPウン十ウン百出る内から平気で速い曲、密度の高い曲をプレイするわけです。追いつきもしないのに無理矢理指を動かすわけです。指というのは神経が集まっていて繊細なものです。これは体に拷問を与えているようなもので、確かに上手くはなるかもしれないが、体への負担も大きい。
 
 まぁ、上記の理由で、あんまり体にはよくないんじゃないかなと思った次第であります。
 一応家庭の医学的なサイトや利き手矯正に関するサイトなど色々参照しましたが、やはり仮説の域は出ません。
 ただ、それほどトンデモ理論でもないように思います。毎日毎日モニターみつめてヒィヒィ言いながら指動かすのが体に良いとは言えないんじゃないかな。

 対策としてはまずやらない。これに尽きますが、そうもいかないのが音ゲーマーです。
 まず、以前にも書いたことですが、ゆっくりした曲から順にプレイしていきましょう。遅い曲をしっかり叩けるようになってから速い曲に手を出しましょう。
 そして、速い曲をプレイできるようになってもあまりそればかり粘着しないように。たまには遅い曲もやってバランスをとりましょう。
 そしてデラし終わった後が大事。自律神経を調節しましょう。
 ゆっくり動くことを心がけましょう。ゆっくり食べる、ゆっくり喋る、ゆっくり呼吸する。
 また、体が固くなってると思うので軽く体操しましょう。特に手首は念入りにほぐしましょう。

 上達法…?さぁ…。
 次回がラストで、「皆伝最速奪取プラン」をテーマに書こうと思います。

 おべんきょしよ。










beatmaniaIIDX 上達法論②(六段の方~十段の方向け)

 上達法論というかなんか単なる弐寺コラムみたいなものになってる気がするな…。

 (1)スコア力って一体何やねん
 (2)クリア力とスコア力の関連性について
 (3)速い曲をやりまくれば高速に強くなれるか
 
 【スコア力って一体何やねん】
 
 スコア力を磨くにはどうすればいいか、ということは色んなところで語られている気がしますが、スコア力の定義自体はわりとアバウトにしか定まっていないように思います。というより、ランカー含め上級者の方々は皆持論を持っているのでしょうが、それが公で語られることはあまりなかったように思う。
 そもそもスコア力って何なんでしょう。それらを磨く為に、なぜ密度の低い譜面、同時押し譜面などをプレイするのが有効なんでしょう。
 これを僕なりに定義してみたいと思います。
 
 スコア力というのは、スコアを出す為に必要な力のことである。
 そしてその力とは、①判定ラインをつかむ力②一定のリズムで押し続けられるリズム感②譜面通りに押し切るだけの指の筋力、スピード、独立性④譜面を完全に見切る認識力、を全てひっくるめたものである。

 ②③④については納得していただける人も多いかと思いますが、①についてはひょっとしたら根っからのクリアラー、スコアなんて意識したこともないわ、という人にはピンと来ないかもしれません。
 判定ラインをつかむというのは、光るラインを見つける、ということです。どのタイミングで押せば光るのかを把握する。
 ピカグレで拾える判定幅は2/60フレームで設定されています。1/30秒と考えてもらってかまいません。難しいですが、こいつを掴まないと、たとえリズムに乗って叩けても黄グレばっかり、GOODばっかりということになりかねません

 ③はクリア力とも密接に関係のあることですね。③を伸ばすのをやめて光らせることに特化した人種がいわゆるオッスマンという人達です。-3点とかで首をかしげる人達です。
 
 ①~④を磨けばスコアが出るということになります。
 そしてなぜ同時押し曲やスカスカ譜面が役に立つかというと、こういった譜面は判定がどこにあるかを見極めやすく、またリズムに乗りやすいからでしょう。つまり、①②を鍛える格好の練習曲ということになります。

 【クリア力とスコア力の関連性】

 これを語るにはまずクリア力の方も定義づけなければなりません。

 クリア力とは、クリアする為に必要な力の総称のことである。
 そしてその力とは、①ピカグレ~GOODの判定ラインをつかむ力②ピカグレ~GOODで拾い続けられるリズム感③GOOD以上で拾えるだけの指の筋力、スピード、独立性④発狂で死なない程度の認識力、を全てひっくるめたものである。ちなみに「餡蜜力」は①②に含まれている。

 こう書いてしまえば、遥かにスコア力よりも求められるものが少ない。というよりこれでは単にスコア力の劣化版に過ぎません。
 しかし、何度考えてもこれ以外の結論を出しようがないのです。つまり、クリア力はスコア力を磨いていれば嫌でも身につくということになります。

 では、クリアラーとスコアラーの違いって何なんでしょう。
 これはクリアラーの方には残酷な言い方となりますが、クリアランプ状況が全く同じクリアラーとスコアラーがいるとすれば、認識力は同等、そしてそれ以外の全ての点でスコアラーの方が優れているということになります。つまりクリアランプ状況において、認識力さえ身につければスコアラーの方がクリアラーの方に追いつくのはたやすいということです。
 上手くなればなるほどクリアラー、スコアラーといった枠組みから外れていくのは、クリアする為に必要な力、スコアを出す為に必要な力というのが実は同じレール上に存在するからだと言えます。スコアの出し方を一切知らなかったクリアラーの方がスコアを伸ばそうとする場合、意識的にピカグレを狙う練習が必要にはなりますが。
 
 結論を言うと、スコア力を鍛えようとすることでよりクリア力も増すということになります。いい加減に押す癖がなくなり、BADハマりも激減するのでプレイにおける安定感もグッと増すでしょう。これは、かつてスコアアレとまで言われていた僕自身の経験からも言えます。
 もちろん密度の低い譜面をオッスオッスするだけでは認識力は一向に育たないので、発狂譜面をプレイすることも大事だということを付け加えておきます。そして、その際にもスコアを意識してみてはいかがでしょうか。

 【速い曲をやりまくれば高速に強くなれるか】

 これは基本的には正しいと思われます。しかし、1つ気をつけなければならないことがあります。
 それは、遅い曲すらまともに叩けない状態で速い曲を闇雲にプレイしても効果が薄いということです。むしろ、いい加減な押し方が身についてしまう恐れががあるので控えた方がいい。
 もちろん密度や譜面傾向によって難易度は変わりますが、似たような密度の乱打譜面ならば基本的に速い曲の方が遅い曲より難しいと考えた方がいい。
 「まともに叩けない状態」というのはその人の地力によってイメージは変わってくるかもしれません。上級者の中には☆12を鳥コンしても満足のいかない人もいるでしょう。
 しかし、基本的に「ハードしてない曲」=まともに叩けてない、と捉えていただいてかまいません。また、超当たりでハードしたけれどハズれると手も足も出ない、というような曲もあるでしょう。また、BP60、70出てもハードできちゃう曲もありますし、それをまともに叩けていると言っていいのか疑問です。そういった曲もまだまだ練習に使えます。

 これは余談なのですが、易でひたすら上の曲に挑み続けてハードを全く疎かにしている人がたまにいますが、それはやめた方がいいです。これは十段下位くらいまでのクリアラーに多いのですが、そういった人は大抵雑に押す癖が身についてしまっていて、安定感がない。お菓子曲全部易ついてるけどAAハードついてない、みたいな人は結構危ないです。
 なぜかというと、そういった人は将来皆伝に挑む際に冥や卑弥呼ができず、いわゆる万年十段になる可能性が高いからです。
 もちろん、冥や卑弥呼はソフランありーの連打ありーので単純に地力ゲーとは言えない面があります。しかしそれらに加えてこの2曲に共通するのは、全体を通して非常に「押しにくい」という点です。冥の前半なんてのは、クソ譜面GENOCIDEの前半の密度が倍増してBPM200で降ってくるようなものなのです。中盤に挑む為にもここは落とせない、しかしいい加減な押し方で来てしまった人には対応できないのです。結果的に運指力を一から鍛えるハメになります。

 速い曲に強くなりたいのなら、まず段階的にBPMを上げていった方がいいと思われます。
  ダズリン→バフラム→クロスロード→Sorrows→エデン
  AA、金十字→True Blue→傲慢→(密度UP)GAIA→(密度UP)クッキー→EXUSIA→バドマニ→冥
 といった具合に。
 CSで速度を上げて練習してみるのもいいでしょう。






















2013年10月22日火曜日

beatmaniaIIDX 上達法論①(六段の方~十段の方向け)

 今日は皆伝を目指す六段の方~十段の方向けに、僕なりのビートマニアにおける方法論を書きます。 
 他に色々とやりたいことができてやめちゃったのですが一応皆伝の身、何でもいいから皆に伝えねばもったいない、というのが基本的な理由です。
 そしてまず言っておかなければならないのが、僕の地力は3y3sやタイピCNギリハード、AAやクッキー鳥ちょい程度、と特に高い方ではないということです。僕よりも上手い十段上位の方もいらっしゃると思いますし、そこをふまえた上で読んでいただけると助かります。
 プレイ歴は3年半とそれほどサクサク進めたわけではありませんが、大体その2年半くらいは漫然とプレイしていただけで、上達論を自分の中で固めてからはクリア、スコア両面での成長速度がグンと伸びました(1年前はMENDESやバドマニにも難がついておらず、AAとクッキーのスコアはAAジャストくらいでした)。これもあって、ちょっと書いてみようかなという気になりました。
 
 しかし単曲攻略については攻略サイトやwikiに詳しく書かれており、基本的な上達法についても僕の1億倍うまいかみゆー氏やIKKI氏のサイトなどで熱く語られています。ですので上記のサイトの内容とはまた少し違った角度から上達法を語ってみたいと思います。わりと細かい内容になると思うので、初心者の方には少し敷居が高いかもしれません。そしてあくまで「僕はこうすればいいと思う」というものでしかないので、反論や批判等もなにとぞ勘弁&御容赦ください。
 
 まず、意識高めな中級者の方々が意識すべきこと、またその方々が陥りやすい罠と、その抜け出し方を書いていこうと思います。軽い読み物だと思って(軽い読み物なのですが)目を通していただければ嬉しいです。
 (1)プレイする際に意識すべきこと
 (2)認識力次第でどうにかなるか
 (3)脱力する為にはどうすればいいか

 【プレイする際に意識すべきこと】
 
 自分に改善できる点がないかどうかを常に意識しましょう。アンテナをはりましょう。
 そして欠点を見つければ、それをどのように矯正すればいいかを考え、すぐに実行しましょう。
 それを意識する人と漫然とプレイするだけの人とでは、後々の結果にかなりの差が出ます。また、ガチ勢になろうとしている方達には中高生含め若い方が多いでしょうし、時間もお金も限られているでしょう。効率を意識するに越したことはありません。でもたまにはまったりもいいよ(矛盾)
 では一体何を欠点とみなせばいいのか。それは、貴方が欠点だと思った点全てです。
 スコア力がない、クリア力がない、ソフラン力がない、トリルに弱い、連打力がない、軸譜面に弱い、速い曲に弱い、遅い曲に弱い、皿が苦手、体力がない、認識力がない、全て欠点です。
 脱力ができているか、肘の高さ、手首の高さはこれでいいか、指を変な形で固めていないか、手首が変な形に沿っていないか、皿側の小指が張っていないか、視点はどこに合わせるか、画面との距離、足の角度、等々ありとあらゆる点に目を配りましょう。
 意識が高いのはガチ勢ならば皆一緒です。量のみでカバーしようとするのは勤勉という名の知的怠惰です。プレイ方法で差をつけなければなりません。効率を求めるならば頭をフル回転させねばなりません。

 【認識力次第でどうにかなるか】
 
 中級者、その中でもなぜか若いプレイヤーに多いのが極端な認識力信仰です。「見えれば押せる」という考え方のことです。しかし残念ながらそれはありえません。
 なぜならそれは「楽譜が読めればピアノを弾ける」と言っているのと同じようなものだからです。
 もちろんピアノと弐寺は違うものです。ピアノに皿があったらそれはそれで楽しそうですが、残念ながらありません。鍵盤の数も仕組みも違う。しかし、脱力して規則通りに指を動かす、といった点では全く変わりないのです。
 「認識力がつけば自然と脱力できる」と2chなどでよく語られていますが、それは「見えないことによって生じる力み」が無くなるだけに過ぎません。その状態からどう脱力するか、が肝心なのです。
 そしてきちんと押す為には、十分な認識力、脱力に加え、指の筋力、独立性、そしてリズム感が必要となります。これらは、密度の高い曲を易で繰り返すだけの方法では十分に身につけられません。

 【脱力する為にはどうすればいいか】
 
 脱力が大事、というのは頻繁に語られていることですが、具体的にどのように脱力すればいいのかというのはあまり語られてこなかったような気がします。そして、出口さんのプレイ動画などの静かーな手元を観て「脱力が大事なんだなぁ」と理解はしても、いざやろうとするとやっぱり出来ない、という人が多いイメージ。
 ピアノの上達法に関する本やサイトでは、大抵この「脱力」というテーマについてしこたま語られています。それらを弐寺にも流用できることをこの身で実感し結果も出た経験をふまえ、弐寺用へと変換して書いていきます。

 まず、脱力といっても単純にふにゃりと指や腕の力を抜くだけでは、そもそも鍵盤を押すに足るだけの力が出ません。リズムもとりづらい。指は当然ある程度の重みがあるので、それを持ち上げるだけの力も必要です。
 つまり、打鍵の際にはどうしてもある程度の力みが生じるということになります。しかし基本的に指の力は抜いておかなければならない。
 これは、「無駄な」力を入れないことが重要だということになります。必要以上の力はいらない。ならばどうするか。
 まず念頭に置いてほしいのが、無駄な指の力みの原因は2つあるということです。1つは手首の力みから生じるもの。もう1つは指が上に反った場合に生じるものです。そしてどこか1本でも力めば全ての指に力が加わります。試しに指に力を入れてみるとわかりやすいと思います。
 ではなぜ手首が力んだり指が反ったりしてしまうのか。この原因はまず手首の角度にあります。
 あっさり言いますが、プレイする時に腕から手の形が   」   ←このようになっている人はすぐに矯正しましょう。カクッと曲がっているところが手首です。これも試しにやってみるといいです。
 手首から先はできるだけ腕と平行、もしくはオバケのようにだらんと「へ」の字の形にするのが理想です。カクッと曲がっているところが手首です。うらめしや~。
 そして仮に平行にしてても、指のつけ根の部分の骨のでっぱり(グーを作った時の拳の角)よりも指が上に来ると力みが生じます。基本的に指はそこから下で動かすようにしましょう。
 手首も指も反っていない、この状態で普段通り指の力を抜いてトコトコと指を動かしてみてください。最初は動かしづらいかもしれませんが、この形ならば指に無駄な力が自然と入ることはありません。もちろん意図的に力入れた場合は別ですよ。

 そしてさらに重要なのが、キチンと打鍵するには指、手、腕を支える為の「支点」が必要だということです。
 この支点を作らなければ指~腕がふにゃふにゃしてしっかりとした打鍵が出来なくなります。かといってその状態でふにゃふにゃしないようにすると今度は無駄な力みが生まれます。
 具体的に言うと、「手首支点」「肘支点」「肩支点」「上半身支点」などがあります。これらの中のどれか1つの位置に支点を置くように意識してみてください。右に進むほど力強い打鍵ができるようになります。
 手首ならば指のみを支えるイメージ、肘ならば肘から指までを支えるイメージ、肩ならば腕全体を、上半身支点ならば、姿勢を安定させ、かつ上半身全体の力を使って押すイメージ。
 しかし、ピアノと違って打鍵の強弱を問われないデラならばせいぜい肘支点までで十分、というか肘がオススメです。指がまだ十分に鍛えられていない最初の内は、スコアは出にくいかもしれませんが手首を支点にしてやってみましょう。
 あと、支えるからといってガチガチに固定するのはNGです。支えようとすれば、それに見合うだけの力が入るべき場所に自然と入っています。意識して力を入れる必要はありません。
 
 最後に重要なのが、姿勢。
 極端な猫背だったりすると嫌でも無駄な力が入ります。背中をスッと伸ばし、丹田に重心を置いて綺麗に立ちましょう。ちなみに重心は物体のバランスがとれる点のことで、支点とはまた違います。この辺の詳しい内容は物理が得意な理系の方に聞いてみましょう。とりあえず、自然な体勢だと自然と丹田でバランスがとれます。

 自分で調べたのか勝手に身についていたのか、とにかくここまでの内容を体現し、かつ極めているのが例の大魔王です。
 http://www.youtube.com/watch?v=I_eL0rxh1TE
 手は腕と平行、肘も肩も必要以上にはブレず、綺麗な姿勢です。第一回トプランの動画だとすっげぇ猫背なんですけど。
 大魔王はやっぱり大魔王なんですね。